絵本の自費出版のメリットとデメリット

末永く『愛される絵本』を作りたい!

世界中で老若男女に愛されてやまないものの一つは絵本でしょう。

子供たちを心から思い、教訓を残したり、幸せな気持ちで成長してほしいという願いが詰まっている絵本は、どこの国であっても多かれ少なかれ伝承されています。立派な文化の一つと言えます。

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絵本の楽しみ方は時代によって変化する!

もともと、子供に読み聞かせを行っている両親にこそ啓発する絵本も数多くありましたが、絵本もその在り方に変化が起こり、今でははじめから大人の心に向けて創作されている絵本も存在しています。さらに技術の進化も加わって、紙の絵本だけではなく、デジタル化されて電子書籍リーダーなどのデバイス経由で持ち運べるようにもなりました。

このように世代間や国家間の垣根がなくなれば、世界中の絵本を日本にいながらにして、いつでも楽しむことが可能な環境になりました。昔と比べて選択肢が広がった結果により、個人でも絵本を制作して出版する難易度自体が格段に下がりました。そのような恵まれた環境に変化したことで、自分がいつからか暖めていたアイデアを形にして、多くの人に読んでもらいたいと思いを具体化する人も増えたのでしょう。

自費出版を行うデメリット

自費出版と聞くと、個人的な思いや回想を書物に残し、家族や友人などの身内にだけ配布するイメージがあるかもしれません。おそらく大半はその通りなのでしょう。しかし、技術の進歩と環境の変化によって、パソコン上で制作・編集したデータを使って、デジタルマーケットで出版販売を行ったり、紙の絵本を印刷して出版するだけに留まらず、流通に乗せて書店での販売までを委託できる企業も出現しています。

一昔前であれば、絵本を出版するなら出版社に企画を持ち込む以外に方法がなく、おそらくそのほとんどは商業的に成り立たないという理由で断られるという結果になっていたことでしょう。しかし、それでも自分の構想を絵本という形に昇華させたいという願いが強ければ、自費出版を選んででも実現させることは可能でした。

しかし、それが直接自費出版の最も大きなデメリットにつながるのですが、販売して利益を得られる保証が一切ないため、編集をサポートする企業やイラストのデザインの外注企業、または実際に印刷を行う企業など、絵本制作に関わる企業は、その製作段階で自分の利益を確保する必要があります。そのために、自費出版にかかる費用は高額になることが定説でした。そして、デジタル化が進んだ現代においても、基本的には制作費用が最も大きなデメリットになるという特性は変わっていません。

プロフェッショナルである出版社の視点からは、商業的な成功を期待できる絵本であるかどうかが唯一の判断の分かれ目であり、よほどの意外性や話題性がなければ、素人がミリオンセラーを達成することは至難の業であることに疑いはありません。個人の著者が伝えたいメッセージを絵本にこめることと、その絵本が売れること、つまりマーケットにニーズがあるかどうかという分析は全くの別問題であり、そのほとんどが一致しないはずです。

商業出版のハードルの高さを認識しよう!

正直、出版社が費用を負担して個人の著者の絵本を制作出版し、販売経路に乗せることはほぼ見込めません。

あとは出版社が主催する絵本の企画コンテストに応募し、優勝すれば出版社が企画を通す可能性はあるかもしれませんが、どちらにしても狭き門である事にかわりはありません。

絵本の自費出版ハードル

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こだわりがさらに高額に

それでも諦めきれない著者が出版の夢をかなえるために取る手段が、高額な出費を覚悟せざるを得ない自費出版であるという結論に至るというわけです。そこまでして夢の実現を願っている著者の心理からすれば、自費出版を決意したからには、やはり納得のいく作品に仕上げたいという気持ちは誰よりも強くなるはずです。

自費出版の見積額は、その仕様によっても変化します。ソフトカバーよりも耐久性の高いハードカバーにしたいですとか、このイラストの良さはカラフルな色遣いにあるのだから白黒などはもってのほかであり、色味にもこだわりたいなど、次々に見積額を押し上げる希望が湧いてくるでしょう。

その結果、本来予定していた絵本制作の予算をはるかに超える見積額になってもおかしくない流れが生まれやすいと言えます。はじめは出来る限り費用を安く抑えようという抑制が働いていても、夢の実現に向けての妥協が難しくなるにつれ、高額になる方向へブレていったとしても、何の不思議もありません。

自費出版を行うメリット

とは言え、自費出版を行うことは必ずしもデメリットばかりとも言えません。もし予算をふんだんに使える経済的な余裕があるのならばなおさら、全ての費用を自分で賄う代わりに、制作過程や作品の仕上がりに文句を言う人も存在しません。全ての要素を自分の思うがまま、希望するままに実現できるのです。絵本を作りたいという欲求だけを考慮すれば、これほど自由で恵まれた条件はありません。

さらに、出版する過程において自費出版をサポートする企業からは、さまざまなプロフェッショナルなサービスを受けることも可能です。つまり、自分の画力に自信がなければ、既に出版を経験しているプロフェショナルの絵本作家やイラストレーターに外注を依頼すればいいのです。現代においては、フリーランスで働くイラストレーターもいますし、美術大学に通う学生などに依頼するネットワークも活用することで、選択肢は驚くほど多種多様に存在します。逆に描きたいイラストを中心に考えているなら、ストーリーの構成を外注することも可能です。

出版会社にはそのためのマッチングを行う仕組みを有していますから、希望すれば自分の代わりに洗練されたストーリーを作ってくれます。著者である自分自身はアイデアだけを提供すれば、理想に近い絵本を作れてしまうということです。さらに自費出版で制作した絵本を、より多くの人に読んでほしいという欲求があれば、作品を流通販売させるサービスすらあります。

よほどの思いを持って制作した自分の絵本が書店に並んでいることを想像したら、その欲求を抑えられる人の方が少ないのかもしれません。そして、その流通販売経路がデジタルの世界でダウンロード販売されることで満足できるのであれば、その実現のためのハードルはさらに低く設定できるのです。テクノロジーの進化は、自費出版で絵本を販売したい人にとっては、追い風以外の何物でもないと結論づけられるでしょう。

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