出版社持ち込みは見てもらえない?絵本作家デビューする方法

持ち込みで絵本作家になるのは無理?

絵本作家になりたいと思って画を描き続けていても、なかなか出版にまでこぎつけるのは難しいものです。

絵本作家を志す場合、コンペに応募したりワークショップに参加するなど、さまざまな方法が考えられます。そして、出版社に自分の作品を売り込みに行くのも昔からよく知られた方法です。

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過去の手法を使いつつ、今らしいアプローチを探ろう!

一昔前なら出版社への持ち込みというのは、たいていすぐに編集者さんに見てもらえていろんな感想をもらえたといわれています。でも残念ながら最近はそんなことはほぼないといって良いでしょう。なぜなら絵本作家を志望する人があまりにも増え、持ち込まれる原稿は出版社に山積みになっているというのが現状だからです。全国各地からそのような原稿が毎日送られてきているわけです。

それに加えて、数ある職業の中でも出版社に勤めている人はかなり忙しいということも見てもらえない要因になっています。中でも編集者はまさに激務な職業といわれており、締め切り前ともなれば食事をとる時間もままならなかったり、連日徹夜という状況も珍しいことではありません。そんな忙しい編集者さんに自分のラフをみてもらい、さらに何かの企画に採用してもらえるのは本当に難しいことです。確率にしてみれば、0.1%にも満たないかもしれません。

とはいえ、現実には数えきれないほどの持ち込みをして最終的にプロの絵本作家としてデビューしたという人はいます。デビューのきっかけは千差万別ですが、持ち込みがきっかけだったという人は昔ほど多くないとしても実際にいるのです。また、デビューできた後でも、持ち込みなどの努力が要らなくなったわけではありません。プロであっても編集者さんの目に留まるような作品を生み出さなければ、絵本作家でい続けることはできないのです。そのため、持ち込み作業はデビュー後もしばらくは続くことになります。

しかし、やはり最初の1冊を出すというのは絵本作家にとってキーポイントとなります。ようやくつかんだデビュー作ということにもなりますし、それが大きな反響を呼べば次につながる可能性は飛躍的に高まります。編集者さんからも、この作家に会いたい、次の作品を自分の出版社から出してみたい、などと思ってもらえるのです。そうすれば、やがては持ち込み作業など必要なく、長期的な仕事を依頼されるということもあるでしょう。

出版社ってこんなに忙しい

編集者さんとの出会いがなぜここまで重要になってくるかというのは、編集者さんの仕事内容を見ればわかります。書籍やファッション雑誌、コミック誌などを企画し、必要に応じて外部に依頼するなどして作った記事を編集し、印刷会社に入稿するところまでの過程すべてに携わるのが編集者さんの仕事です。

それだけではなく、その合間を縫って、使用する写真などの予算取りもしなくてはいけませんし、自ら取材に行くということもあります。とにかく、予算内でいかに良質なものを生み出すことができるか、というのが編集者さんの腕の見せどころのようなものなのです。そして、常に新しい才能に目を光らせ、コレと思った人にアプローチして魅力的な作品を作れるよう育てていくのも仕事に含まれます。

もちろん、テキストや画を描く人ばかりではなく、本のイメージ通りの写真を撮ってくれそうなカメラマンを探すというのも編集者さんの仕事です。編集者さんはいつも締め切りに追われているようなもので、とにかく忙しくしています。深夜まで残業し、完全徹夜で作業を進めることもありますし、休日出勤もごく当たり前のようにこなします。

そんな中、全国からは作家になりたいと思っているたくさんの人から毎日のようにラフが送られてくるわけです。これなら、とても見る余裕なんてないのだ、というのが理解できるのではないでしょうか。

出版社も絵本作家を探している?

このように忙しく働いている編集者さんの目に留まるというのは、ものすごくラッキーなことともいえそうです。でも、編集者さんも才能ある作家を探しています。

例えば、自分のなかで「渾身の企画」を持っていて、それに合う作家を探していたり、編集者さんはさまざまなところをチェックします。ギャラリーで個展が開かれるとなればたくさんの編集者さんが訪れるのもそんな目的があるからですし、TwitterやInstagramいったSNSも編集者さんは意外とよく見ています。

高齢者の絵本出版

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絵本作家デビューをあきらめないで!

実際にコレと思った企画は、編集長や広告担当者らによる編集会議で提案し、本の製作・出版が決まります。そのため、絵本作家になりたいなら自分の作品をさまざまなところで精力的に発表することは絶対に必要なことといえるでしょう。特に、本気でなりたいという気持ちを表すのには、ギャラリーで個展を開くのが良いともいわれています。TwitterやInstagramといったSNSは手軽に誰でもできることから、どんなに頑張って発表していても趣味の域を出ないのかもと思われることがあります。本気度を疑われてしまうかもしれないわけです。

また個展を開く際には、絵本に強いギャラリーを選ぶことがポイントです。そのようなギャラリーであれば、日ごろから編集者さんがチェックしている可能性が高いですし、ギャラリーからも絵本の出版社に個展開催のお知らせハガキなどを送ることが多いからです。これなら編集者さんと出会う可能性を大きく高めることができます。

そして、ギャラリーで実際に編集者さんと会うことができたら、忘れずに名刺交換するようにしましょう。名刺には自分の得意なイラストなどをいれておくと印象に残りやすくておすすめです。すぐにではなくとも、将来的な出版の企画の際にちょうど良い画だと思い出してくれることも考えられます。

また、会話の中で絵本のダミーを見てもらえないかとお願いしてみる積極性も大切です。作品ファイルなども常に持ち歩くようにし、すぐに見てもらえるようにしておくのも良いでしょう。とにかく積極的に自分から働きかけていくことがデビューにこぎつけるコツです。せっかく絵本関係の編集者さんが目の前にいるのですから、どんどん売り込んで自分を知ってもらうようにしましょう。

やるべきことは多くないはず

絵本作家としてデビューするための方法は、ある程度「限られた手段」となりますが、可能性がないわけではありません。地道な日々のアピール(直接、間接含む)を行うことが大切です。

毎日SNSで作品を公開しても良いでしょう。イラストだけでなく、文章でも同じです。まずは発信する勇気とその反応を知ること、何より続けることです。あきらめずに継続してくことでしか絵本作家になることはできません。

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