絵本を自費出版する為の方法やメリット・デメリット、出版にかかる費用を徹底解説!

近年の絵本はストーリー性のある大人も楽しめるものも多く登場しています。そんな絵本を自己資金で出版できる方法があるのをご存知でしょうか。絵本の自費出版という方法を利用すれば、現在無名の個人でも自分のオリジナルコンテンツを世に送り出すことができるのです。
ただし、費用についてのトラブルなど、絵本の自費出版には注意すべきこともあります。この記事では絵本を自費出版する方法やメリット・デメリット、出版に必要な費用についてもご紹介します。これから自分の描く絵本を出版したいと考えている場合、ぜひ参考にしてみてください。

絵本の自費出版

1.絵本の自費出版とは

まずは絵本の自費出版についての概要を確認しておきましょう。

自己資金で絵本を出版する

絵本の自費出版とは、絵本の編集や印刷にかかる費用を自己資金でまかない出版する方法です。絵本の出版といえば、大手の出版社に自分の描いた原画を持ち込み、厳しい審査をくぐり抜けた一握りの作品だけが印刷・製本され、全国の書店に並ぶというのがセオリーでした。
しかし、通信技術の発達や作業のIT化により、個人でも支払い可能な資金で絵本を作れるようになり、自費出版という新たな出版のカタチが生まれました。絵本を作りやすい環境ができたことで、個人・法人問わずさまざまな人が描く絵本が登場しており、絵本作家を目指すための授業や通信講座が開かれるなど、絵本作家への人気が上昇していることが伺えます。
絵本の自費出版の種類としては、家族や友人など身近な人にだけ作成した絵本を配布私家版、EC通販サイトなどを利用したインターネット上での販売、自身のセミナーやサロンなどで販売する個人出版、書店での販売を目指して出版社の流通ノウハウを利用した出版方法などがあります。
自分が描く絵本を誰に見てもらいたいのか、どのような絵本作家を目指しているのかなど、自身の目的に合わせた出版方法を選ぶことができます。絵本の自費出版にかかる費用ですが、作りたい絵本のサイズやページ数、編集方法や印刷部数、制作を依頼する出版社によって大きく変動します。協力してくれる出版社に相談しながら、自身の納得する形で絵本作成にのぞむことをおすすめします。

商業出版との違い

新しい出版のカタチとして自費出版が増えてきてはいますが、書店に並ぶ書籍のほとんどは商業出版により制作されています。商業出版とは、出版社が絵本の企画をおこない、出版社が制作の費用を負担して絵本を出版する方法です。費用は出版社が負担するため、絵本の著者が自らの資金を支出することはありません。
著者にとっては経済的な負担のない出版方法ではありますが、出版社は企業として費用をかけた分以上を回収しなければならないので、著者には描いた絵本を売らなければならないという大きなプレッシャーがかかります。自費出版の場合、費用負担はありますが必ずしも売れるものを作る必要はありませんので、自由に制作に取り組める自費出版の方が精神的な負担は小さいと言えます。

売上還付金と印税

自費出版と商業出版の大きな違いとして、著者が得られる収入の違いがあります。自費出版の場合の著者の収入は売上還付金で、商業出版の場合は印税になります。売上還付金は、書籍の売上から販売手数料などが引かれた額が著者に支払われ、おおむね売上の30%〜50%が相場と言われています。
印税の場合は売上金や発行部数に対して印税率を掛けた金額が著者に支払われ、売上に対する5%〜10%が相場とされています。割合だけでどちらかの出版方法に優劣をつけることはできませんが、出版方法により報酬の仕組みが異なることは知識として知っておくと良いでしょう。

2.絵本のジャンル

様々なジャンルの絵本が出版されています。まず絵本の出版で考えるべきは『購入者』(親御さん)と『読者』(子どもたち)が異なるということでしょう。またジャンルによっては、完全に大人向けにシフトチェンジさせるなどの戦略も必要になります。どのような想いを、誰に伝えたいのか、ターゲットをしっかりと整理しておくことが重要になります。さらにはイラストのテイストが、その絵本の内容に合っているかなどは著者が気づけない点も多くありますので、やはりプロに任せるべきポイントが多くあります。

赤ちゃん絵本

赤ちゃん絵本は0歳から楽しめる絵本です。赤ちゃんは絵本から発せられる音や描いてあるイラスト、絵本を読むママの表情や声に反応します。ぐずっている赤ちゃんを笑顔にさせる絵本は、家族にとって魔法の絵本となることでしょう。赤ちゃん絵本はギフトとしても喜ばれます。

物語絵本

3歳をすぎてくると、イラストだけでなくストーリーを楽しめるようになります。登場人物の気持ちや絵本で描かれる世界観を理解・共感できるようになり、絵本を読むことの楽しさや表現することの面白さが分かるようになります。繰り返し物語を読むことで、記憶力の向上も期待できます。

ナンセンス絵本

ナンセンス絵本は物語の起承転結にとらわれない、独創的な世界観が表現された絵本です。予想できないストーリー展開が特徴的なナンセンス絵本は、子どもだけでなく大人も楽しめる絵本となっています。常識にとらわれない物語構成は、子どもの想像力を鍛えるのにも役立つでしょう。

知識絵本

知識絵本は、科学や図鑑など子どもの知的好奇心を刺激する絵本です。勉強のように情報や知識を一方的に伝えるものというよりは、子どもの好奇心を刺激して、日常では体験できない想像力の世界を楽しむための絵本です。大人にとってはただの石ころや木の枝でも、子どもにとっては物語の中で対話する登場人物の一人になります。

大人絵本

心を揺さぶるような展開を楽しめる、なるほどと思える教養を身につけられる大人向けの絵本です。普段気づけていなかった子どもへの気持ちを代弁してくれたり、自分に対して子どもが感じていることを言葉に表現してくれたりと、涙なしでは終われない絵本も数多く出版されています。

仕掛け絵本

飛び出す絵本に代表されるように、描かれている絵が動いたりめくれたりする仕掛けのある絵本です。絵本のストーリーを目で追うだけでなく、自分の手で触ったり動かしたりして楽しめるように作られています。物語絵本だけでなく知識絵本など幅広いジャンルで仕掛け絵本が出版されています。

バリアフリー絵本

障害を持つ子どもが楽しめる絵本、障害について知るための絵本、障害を持つ方によって描かれた絵本などがバリアフリー絵本です。絵が立体的に描かれて触って楽しめるもの、絵や文字が点字で表現されたもの、手話付きの絵本、音声付きの絵本など、バリアなしに誰もが楽しめる絵本です。

3.絵本の自費出版のメリット・デメリット

絵本の自費出版を検討している場合、事前にメリットやデメリットを確認しておきましょう。思いがけないトラブルに巻き込まれず、自分の理想とする絵本出版を実現するためには、絵本の自費出版の実態をつかんでおくことが大切です。自分に合ったベストな形を知ることも大切で、背伸びしすぎて無駄な費用をかけすぎないように注意してください。

メリット

自分の描いた絵本をカタチにできる

1つ目のメリットは、自分の思い描いていた絵本をカタチにして残せることです。絵本を出版したいと考えていても、出版社に原画を持っていく勇気はない、出版社に提出したけれど採用されることはなかったなど、出版を実現できる人はそう多くはいません。
ですが、自費出版であれば誰かに審査や評価されることなく、自分が作り上げたコンテンツを世の中に発信することができるようになります。また、編集や製本などプロの作業が必要な工程では出版社の力を借りることで、完成度の高い絵本に仕上がります。

絵本作家になれる

2つ目のメリットは、誰でも絵本作家としてデビューできることです。商業出版が絵本作家になる唯一の方法であった時代、作家としてデビューするには出版社に原画を評価してもらう必要がありました。しかし、何百何千と届けられる原画の中から選ばれるのはほんの一握りの作品のみです。
それでも作家になるために新たな原画を送り続けることが唯一の手段でした。自費出版であれば、上記の過程をスキップしてすぐに絵本作家としての活動を始められます。

満足感を得られる

3つ目のメリットは、絵本作家としての出版を叶えることで、大きな満足感を得られることです。今までは絵本作家としてのデビューは500人に1人や1,000人に1人にしか開かれていない狭き門でしたが、自費出版の登場のおかげで誰もが挑戦できる仕組みが整いました。
自分の作り上げるイメージがカタチになり人の目に触れる体験は、絵本作家としての自信になります。自ら手がけた絵本が出版されることが、記念すべき体験になることは間違いありません。

デメリット

出版に費用がかかる

夢を実現できる自費出版にもデメリットはあります。1つ目のデメリットは、絵本を出版するには費用がかかることです。商業出版であれば出版社が企画をおこない、編集から印刷・宣伝の費用も出版社が負担します。
しかし、自費出版では出版社の協力は得られるものの、作業にかかる費用は自己負担でまかなう必要があります。商業出版と同様のクオリティの絵本に仕上げることができますが、出版社によって費用に幅がありますので、協力的な出版社をパートナーに選ぶことが大切です。

売れないと在庫リスクを抱える

2つ目のデメリットは、絵本が売れなければ在庫を抱えるリスクがあることです。自費出版で念願の絵本出版ができたとしても、売れなければ製本した絵本は在庫となり、保管するための費用が毎月積み重なることで負担になる恐れがあります。
知人などに配本するだけでなく、自分のことを知らない人にも販売をしようと考える場合、購入へ結びつけるための販促活動を積極的におこなう必要があります。自力での宣伝が難しいと感じる場合は出版社に相談してみると良いでしょう。出版社は本を作るプロでもあり、本を販売するプロでもあります。参考になるアドバイスでサポートしてくれるはずです。

売れなければ自信を無くす

3つ目のデメリットは、絵本が売れず在庫を抱えると作家としての自信を失ってしまうことです。自費出版は商業出版と違いますので、必ずしも本を多く人に販売する必要はありません。知人など近しい人にだけ自分の作品を届けられれば本来の目的は達成するはずです。
しかし、より多くの人にも絵本を届けようとする場合、自費出版では自分のアイデアを絵本としてカタチにする作業と並行して、本を売るための宣伝・広告活動も実施しなくてはなりません。宣伝活動が不十分の場合、絵本が売れず、自信を無くしてしまうかもしれません。無理をして絵本制作の手を止めないよう、絵本を出版する際はその目的を明確にしてからのぞむ必要があります。

4.絵本の自費出版の方法・流れ

絵本を自費出版するまでの流れを一つひとつ確認しておきましょう。

原画の用意

まずは絵本になる原画を用意します。自分の描くイメージがカタチになり後々残るものになりますから、想いのまま自由な発想で描いていきましょう。製本を想定して塗り足しを加えたり、中央の綴じる箇所には描画を控えるなど絵本の制作ルールに沿って制作を進めます。

問い合わせ・見積り

原画がある程度完成したら、制作を依頼する出版社に問い合わせ、自費出版に向けた見積書を発行してもらいます。見積書は自費出版の費用を確認する重要な書類ですから、作業内容の内訳など具体的に記載されているかも確認しておきましょう。追加作業が発生した場合のことも相談しておくと、後々のトラブルを回避できます。

契約・入稿

見積内容に納得できれば、正式に契約を結び、原画を入稿します。出版社から入稿データの指定があれば、指定に沿った形に修正してから入稿するようにしましょう。作業を新たに依頼すると追加費用がかかりますから、自分でできることは自分の手で作業することで、全体の費用をおさえることができます。

校正

原画を入稿した後は出版社による校正がおこなわれます。プロの目による確認をおこなうことで、読者が抱く恐れのある細かい違和感を排除することができます。校正は読者にストレスを与えずに読んでもらうための仕上げ作業と言えるでしょう。

印刷・製本

校正まで完成すれば印刷・製本の工程にうつります。表紙のカラーなど、画面で見るイメージと紙に印刷した時のイメージの違いを確認します。最終チェックが完了すれば、絵本完成に向けた最後の印刷工程に進みます。

納品

印刷・製本まで完了すれば納品となります。書店への流通を希望される場合、発売日の数日前には書店に納品され、当日に陳列されることになります。自分のオリジナル絵本が書店に並べられる光景は、生涯忘れられないほどの思い出になることでしょう。

5.絵本の自費出版にかかる費用

絵本の自費出版にかかる具体的な費用についてご紹介します。一番に考えるべきは『コスパ』です。絵本作家を目指している方であれば、絵本は書籍の中でも「売れにくいジャンル」であることはご存じだと思います。あまりに高額な費用を支払って出版したところで、それをペイできるはずがありません。ハードカバーの絵本は制作費が高額なのは仕方がないので、それ以外の手法を考えるべきでしょう。

絵本の自費出版の費用

絵本の自費出版の費用は出版社によって幅があり、サポート内容も大きく異なります。作業内容や費用相場についての知識がないと、どれを選んで良いのか悩んでしまうことでしょう。絵本出版専門|まごころの絵本づくりでは、絵本の出版を目指す作家さんに寄り添い、分かりやすい費用体系での出版サポートをおこないます。
具体的には、原画があり文章も作成済みの場合は19.8万円(税込)、原画がなく文章のみ作成済みの場合は28.6万円(税込)、原画なし・文章なしでゼロから作成する場合は39.6万円(税込)となります。アイデアはあるけど作業をどのように進めて良いか分からないといった状況でも、目次や構成づくりからご相談いただけます。
費用に含まれるものとしては、絵本の出版についての全工程サポート、販売に向けた読まれる絵本を作るための具体的なアドバイス、在庫を持たずに半永久的に絵本を売り続けることができる独自商業出版の仕組み、絵本の流通に必要なISBNコードの付与と国会図書館への納品です。絵本の出版に必要な作業は全てカバーされています。

低価格で自費出版できる理由

100万円単位での負担を想像している方には思いのほか低価格に感じられるかもしれません。低価格で出版できる理由としては、編集作業の効率化と『無在庫出版』(オンデマンド出版)によるコストダウンの実現、半永久的に販売できる仕組みで将来的な収益を期待できることにあります。編集については規定を設けることで作業量を省略化し、受注販売することで余計な印刷費用をカットします。
受注販売に期限は設けていないため、制作した絵本を半永久的に販売することができます。たとえ制作時点での販売数は少なくても、知名度が高まれば販売数も増えていくため、著者に収益をもたらしてくれることでしょう。はじめての方でも安心できる、著者に寄り添った出版サービスをご提供します。

まとめ

絵本の自費出版について解説しました。自費出版は、自分の思い描く理想の絵本をカタチにできるチャンスであり、絵本作家として自力でデビューするための手段の一つです。ただし、出版の目的を明確にしないまま制作にうつると、思いがけない壁に直面し悲しい気持ちにさせられてしまいます。
絵本制作を自分の満足のいくものにするために、ぜひプロの意見も参考にしながら進めてみてください。絵本の自費出版についてより詳しく知りたい場合は、ぜひ絵本出版専門|まごころの絵本づくりにご相談ください。

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